神経回路の活動のみならず、体内環境と脳の相互作用という視点から脳を理解することが求められている。
脳-身体相互作用の中核として多種類のグリアが機能し、その時間的な応答は神経活動よりはるかに多様である。
さらに、グリアは血液脳関門の制御や末梢炎症の感知などの多彩な機能を脳領域と環境に依存して発動する。
本領域では従来の神経活動計測とは全く異なる計測手法や体内環境の専門家を呼び込み、グリア機能の包括的な読み出し(デコーディング)を実現する。グリアのコードする情報、神経活動、代謝・循環・免疫などの体内環境の情報の三者を統合してグリアによる脳-身体相互作用とその破綻の実体を解明し、学問領域の変革を実現する。