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グリアデコードニュースレター Vol.1 『第1回公開シンポジウムに参加して』

 

2021-03-10

山梨大学大学院 総合研究部
医学域 基礎医学系 薬理学講座・学部内准教授

篠崎 陽一

令和3年1月7日(木)に開催された学術変革領域(A)「グリアデコーディング」の第一回公開WEBシンポジウムに参加させて頂きました。ZOOMの最大人数である300名もの参加者からも本領域に対する関心の高さが伺えました。本学術変革領域はA01班「グリア・神経ネットワークの統合による脳機能発現」、A02班「グリアによる脳-身体連関の制御」、A03班「グリアによる脳-身体連関制御の包括的操作・解析」で構成され、領域代表である東京大学大学院医学系研究科の岡部繁男教授によるご挨拶・概要説明の後に計画班の各先生方より非常にエキサイティングな研究紹介が行われました。

私は博士課程からグリア研究の世界に入り、特にグリア細胞の異常がどのようにして神経変性疾患を誘導するかという点に興味を持っています。現在は加齢性視神経変性疾患である緑内障を対象に研究を行っています。緑内障は眼圧上昇という体内環境変化が発症リスクである事、早期からグリア細胞が変化する事が知られています。本領域の目的の1つ「体内環境に対するグリア細胞の脳内(網膜内)表現のデコーディング」は、まさに緑内障病態の解明に有効なアプローチだと感じています。また、グリア細胞の多様性は、脳の情報は蓄積しつつあるものの、網膜や視神経については非常に情報が乏しく、本領域で積極的に取り組んでいきたいと考えております。これまでも多くのグリア研究に関わる先生方にご教授頂いて来ましたが、本シンポジウムでご紹介された先生方の技術は、まさに従来の研究では解明できなかった数々の課題を解決できる革新的な方法論であると感銘を受けました。本領域で皆様と一緒に研究できる機会を頂きまして大変感謝しております。5年間、心躍るようなワクワクする研究を行いたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。